こんにちは
設計の山形です。
今日は「景観法」についてお話させてもらいます。
日本の街並みは、諸外国の街並みと比較して形態や色に統一性がなく、混沌としていると言われております。
特に、電線や立看板などの屋外広告物が景観を損ねたまま都市開発が進められているのが現状です。
それでも近年、日本でも都市の景観に対する関心も高くなり、行政による「景観法」「文化財保護法」「緑地保全法」を軸にして、都市の景観を守る地域も増えてきております。しかし、いずれの制度も特定の地域や物を対象としており、総合的に規制する法律は無く、まだまだ日本は発展途上といえるでしょう。
これに対して、海外、特にヨーロッパでは、景観の問題は行政が責任を持って取り組むべき課題であるとの共通認識があることから、既にこうした制度を設けている国があり、都市計画関連の法規によって都市内外の景観を整備するなど、積極的な姿勢が見られます。
具体的事例をあげます。
昨年夏に友人夫妻を訪ねてイギリス・ロンドンに訪れた時に、まさに象徴的な体験をしました。
下の写真はロンドン市内で宿泊したホテルの窓から工事現場を撮影した写真です。
はじめは建物の解体中だと思いながら現場の作業風景を眺めていましたが、途中から違和感を感じました。建物の内部は解体済みですが、7階相当の高さの外壁だけが残されおり、大切に養生されていました。
ロンドンの一部のエリアでは、外壁自体が共有の財産であり勝手に取り壊しが出来なく、建物の持ち主は建て替えをしたくとも外壁だけを残すことを法律上求められます。
むしろ、不動産価値としては古い建物や外壁ほど価値は高くなり、銀行や保険会社はこぞってそういった建物に入居したがるそうです。
外壁の装飾は時代ごとに異なるため、ゴシック様式(12-15世紀)、ルネサンス様式(15ー16世紀)、バロック様式(17-18世紀)等あり、外観だけで建築された年代を判別することが出来ます。
こういった規制は、市内の大型建物だけでなく、市外の小規模な個人住宅でも場所によっては規制の対象になる場合があります。
今回訪れた友人夫妻は、旦那さんがイギリスの方で、昨年夏にロンドン市内に中古家を購入されて、リビングをリフォームしたいのだけれど、都市計画許可に必要な手続きが大変で嘆いていました。
申請書類・既存図面・変更後の図面、仕上げ表は当然ですが、コウモリの巣の有無の報告も義務があるそうで、いかに都市計画許可が厳しいか分かります。
個人の所有する建物の内部をリフォームするのに、都市計画許可が必要。。。。
旦那さん曰く、建物はプライベートな側面がある一方でパブリックな側面もあり、そのパブリックな要素は共有財産であり都市計画のシステムの一部として守らなければないものとして我々は受け入れなければなりません、と説明を受けて法律以上に住まう人間の意識が高いことに衝撃を受けました。
最初にお話しさせて頂いた日本でも「景観法」を整備している行政も年々増えてきております。
規制が厳しいがゆえに、将来もこの景観や環境が守られるだろうとして、人気があるだけでなく資産価値も高くなることが多いようです。そして、景観計画は景観行政団体が策定しますが、住民が参加して提案をすることができます。
皆様も、自分が今住んでる地域やこれから住もうとしている地域に、建築に関するどんな「景観計画」や「地域条例」があるかを調べてみては如何でしょうか。
ハスカーサの展示場や施工実例もぜひご覧ください。
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