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2019年03月 アーカイブ

2019年03月07日

バルセロナ建築紀行【その4】

こんにちは。設計の浅井です。

 

ついに4回目を数えることになりました、私のバルセロナ建築紀行でございます。

もう少し、簡潔にご紹介したかったのですが、流石は今やパリに次ぐ人気観光都市となっバルセロナです。

見どころてんこ盛りで、どれも端折りがたく絞り込めません!!
今少しお付き合いください。

と言うわけで、前回に引き続き巨匠アントニ・ガウディの作品を年代順にご紹介しております。

4回目を数え、今回登場する作品はガウディ作品の中でも最晩年期にあたる作品です。



 
カサ・ミラ(1912年竣工)
 

 

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▲グラシア通りよりカサ・ミラを見る

バルセロナっ子たちからは「ラ・ペデレラ(L"Pedrer")」と呼ばれています。「ラ・ペドレラ」とは「石切場」という意味です。

これは、石材を使った見た目が、山の採石場のように見えるからと言われています。
バルセロナの現在の中心市街地とも言えるグラシア通りに面する集合住宅です。

オーナーであるミラ家の住戸と商業施設・賃貸集合住宅からなる建築物で、建築史上初めて「地下駐車場」を併設した建物としても知られています。

「カサ(CASA)」とはラテン語で「家」を表しますから「カサ・ミラ」とは「ミラ邸」と言う意味になりますね。

前述のようにガウディの最晩年を代表する建築であり建築学的にも重要な建築でありますが、実は創造主・ガウディに見放された悲しい建築でもあります。

 

もともとクリスチャンではありましたが、晩年のガウディは強くキリスト教に傾倒していました。
宗教への思いは設計思想にも反映され、教会などの宗教施設でなくても宗教色の強いものを提案しています。

個人所有の邸宅であるカサ・ミラにもガウディはキリスト教的デザインを施主に提案しました。

ガウディの提案では、カサ・ミラには上部に聖マリア像を設置し、建築本体は住宅と言うよりはマリア像を設置するための「台座」として計画されていました。

施主であるミラ夫妻も一時はこの計画に合意しプロジェクトは進んでいきました。
聖マリア像の台座として相応しい素材としてガウディは黄金色に輝く石材で外壁を覆うことにしました。

国内外を問わず各地の採石場に赴き、やっと満足のいく黄金色の石材を発見したのですが、石材を切り出して建設中の外壁に設置すると、みるみる変色し無彩色なグレーに変色してしまいました。

バルセロナの気候が合わなかったのか、そもそもそういう性質の石材だったのか原因はわかりませんが、ガウディはひどく落胆したそうです。
傷心のガウディにさらに追い打ちをかける出来事が起こります。

ちょうどそのころ、バルセロナを含むスペインカタロニア地方は「アナキズム(無政府主義)」の嵐に見舞われます。
20世紀初頭のスペインのアナキズム主義者たちはしばしば宗教施設をターゲットとし、教会に押し入ったりしては破壊、略奪などをしたそうです。

既存の教会はもちろん建設中であったサグラダ・ファミリア教会も標的とされたりしました。
日に日に過激になるアナキズム主義者の行いにミラ夫妻は恐れを成し、屋上にマリア像を、というガウディの提案は不採用となりました。

このことはプロジェクトの進行中であったガウディのやる気を大きく削ぐ結果となりました。
その他にも色々問題があったようでガウディは建設中のカサ・ミラプロジェクトからは手を引き、弟子に丸投げしてしまいます。

今の目で見ると、外観や屋上庭園の作り込み、地下駐車場や構造計画等の力の入れようと比べると、内装の計画は幾分スッキリとしています。

これは洗練というよりは、ガウディの熱意が内装デザインにまで持続しなかった性であると見ることも出来るのです。
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▲建物の中央部には日差しをまんべんなく取り込むための大きな吹き抜け付き中庭(パティオ)が2カ所設置されている。外観に比べると比較的あっさりしている。
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▲屋上には起伏のある公園が計画されている。 190122-4.jpg

▲ガウディ建築によく見られる彫刻のような排気筒。
植物のようにも、騎士の鎧にも見える。

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▲複雑に隆起する屋上庭園の直下には複数のアーチに支えられた屋根裏部屋が計画されている。

 

かつては、倉庫や使用人の部屋として使われることの多かった空間は現在はガウディ建築に関する資料館が常設されている。

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▲今も現役のオフィス兼住戸として使われていますが、一部の住戸は当時の住戸を再現した見学コースになっています。
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▲当時の水回り
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▲当時の使用人室
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▲パティオには2階の旧オーナー住戸に通ずる大階段が設えられています。
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▲現在の2階の旧オーナー住戸は企画展示を行うギャラリーとして公開されています。
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▲通り沿い2階にはカフェ「ラ・ペドレラ」が営業中です。


 

コロニア・グエル地下聖堂

 

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▲コロニア・グエル地下聖堂外観

 


バルセロナから電車で約30分程度の郊外に小さな工業都市「コロニア・グエル」があります。

これはガウディのパトロンであったらグエル家による計画的工業都市で、繊維工場とその労働者のための住宅や公園を一体的に計画した集落です。

グエル氏はその労働者のための教会堂の設計をガウディに依頼しました。

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▲バルセロナ郊外の「コロニア・グエル駅」へはカタルーニャ鉄道で約30分ほどです。郊外の駅なので乗降客もまばら、駅前に賑わいはありません。

 

ごらんのように「教会堂」と言う割には不格好で地を這うような建築です。

それもそのはず、この建築は地下聖堂部分のみで工事がストップしてしまった建築なのです。

グエル家より教会堂の依頼を受けたガウディはその設計に10年もの時間をかけてしまいます。

後のサグラダ・ファミリア教会の設計にフィードバックされる実験を繰り返したためとされていますが、おかげで、着工後程なくして施主であるグエル氏が死去し、その後継者であったグエル家の担当者も死亡してしまったため、地下聖堂部分が完成した段階で工事は中止されてしまいます。

10年の歳月をかけたわけですから完成していれば、サグラダ・ファミリアのコンパクト版として同教会と並ぶ名建築となったであろう作品ですが、あまりにも設計期間に時間を割きすぎてしまったのでしょう。

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▲未完とは言え地下聖堂としては機能するところまでは作られています。

 

天井の支える構造体は本来は上部に建設される予定であった教会堂本体を支えるため、ダイナミックに作られています。
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▲日時計としても機能するというステンドグラス入りの「バラ窓」が美しく空間を演出しています。
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▲打って変わって屋上には途中で工事が止まった鐘楼と教会堂の入り口となるはずであった石造りにアーチが佇んでいます。

 

コロニア・グエル教会堂の設計期間に培われた技術・工法・実験はサグラダ・ファミリア教会にフィードバックされたので、決して無駄ではありませんでしたがコロニア・グエル教会堂の完成形も見てみたかったですねぇ。

さて、私のバルセロナ建築紀行も次回で最終回の予定です。
最後はモチロン「サグラダ・ファミリア教会」のお話です!

出展:
外尾悦郎 ガウディの伝言        光文社新書 2006
丹下利明 バルセロナのガウディ建築案内 平凡社   2014



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2019年03月14日

【完成現場紹介】T様邸

設計の宮里です。


今回はT様邸をご紹介いたします。


まずは外観です。外装材は2種類のサイディングを貼り分け、重厚感のある仕上がりになりました。

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中に入ると、外観と同様に、重厚感のある空間に。
その正体は、、、ご主人様がお選びになった無垢フロアです。

こちらのフロアは、表面がウェーブ加工されており、裸足で歩くと、通常の無垢フロアに+αされた心地よさが感じられます!

また、ウレタン塗装が施されているので、耐傷性、耐水性という機能と同時に、深みのある色合いが出ています。


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キッチン本体は標準の商品となりますが、リビングから見える食器棚は、奥様のこだわりで、無垢の食器棚です!

本当は、全て無垢のキッチンにしたかったのですが、コスト面との相談で、リビングで寛いでいるときに見える部分は、無垢の食器棚としました。

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ダイニングのテーブルとチェアは、お打合せの際にショールームにて気に入っていただいたもので、こちらも無垢のオーク材でできています。
フロアと同様で、年月が経過するごとに味わいが出てくるので、楽しみですね。

リビングに隣接する和室は、障子や襖で構成しており、
天井も実はクロスですが、モダンではない、大壁和室に仕上げました。

リビングに隣接して畳があると、とても落ち着きますよね。


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 洗面所には、可動棚の下にパイプを2本設置し、バスマットやバスタオルがかけられるよう、 計画しました。

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照明やクロスなど、コーディネーターと打合せをして、ご希望を取り入れつつ、コストが上がりすぎないよう、バランスよく、それでいて空間として、きれいに仕上がりました。

 

お客様のご要望とコスト面との調整は、私ども設計とインテリアコーディネーターが検討するのはもちろんですが、T様(お客様)の寛大なご決断も重要になりました。

T様とは何度もお打合せをさせていただきましたが、いつも楽しいお打合せをさせていただきました!


ご夫婦とも、いつも笑いあっていて、私にとって
とても憧れのご夫婦でした!
この場を借りまして、お礼申し上げます。

それでは今回はここまで。
それでは、またお会いしましょう!!




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2019年03月21日

「間仕切り壁」のリフォーム

みなさんこんにちは!
設計の松澤です。

今回は、「間仕切り壁」のリフォーム工事を
行った現場に密着する機会があったので
ご紹介させていただきます。

皆さんはリフォームで部屋と部屋の間に壁を作るという工事は
とても大変で大掛かりな工事なイメージが
あるのではないでしょうか?


実は、間取りによっては2~3日くらいの工事で
済んでしまう場合があります。
今回の現場では3日で作業を完了しました。

では早速見ていきましょう!

まずは、壁の下地作りから

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2×4の建物では、2×4材(スタッド)を
用いて壁等の下地を作っていきます。

後施工ですので、壁を作る所の横に
貼ってあったクロスもはがしておきます。

そしてまず、天井と床、左右両端にスタッドを
固定し大きな外枠を作ります。


そのあと、455㎜間隔を目安に枠内に
スタッドを入れていきます。


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スタッドが入れ終わり壁の下地が完成しました。
ここで、壁に不陸がないか確認し調整していきます。
おおよそ水平が取れたら石膏ボードを貼っていきます。


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端から順番に貼っていき最後のボードで
細かい調整をしていきます。


この石膏ボードを貼る順番は大工さんの
利き腕によって変わるようで、
右利きの人だと左から右へ貼っていくことが
多いそうです。

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まず片面が貼り終わりました!

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裏からみるとこんな感じです!

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そのまま裏の面も貼っていきボード貼り終了!

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そして、巾木呼ばれる材料を壁と床の取り合いの部分で
施工していきます。

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こんな感じで大工さんの工事が完成しました!
ここまでで、1日かからないくらいの時間でした!

そして、最後にクロス屋さんに来てもらい壁紙を
貼っていただき完成!!

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元々あった壁と新しく施工した壁の部分も
きれいに施工されてますね!

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クロス工事は1日半くらいパテで下地を整える作業をし、
残りの時間でクロスを貼り仕上げました。

このような形で、「間仕切り壁」は
施工されていきます。

写真みて頂いていけばわかると思いますが、
作業としては
「スタッドで壁作る」→「石膏ボードを貼って巾木をつける」→
「壁紙を貼る」という単純な工程になります。

これから間仕切り壁を作りたい方等
ご興味がある方はぜひ相談してみてください!




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2019年03月28日

建築 ➔ 建物

はじめまして。
今回からブログに参加させていただく正木と申します。

高校時代の美術部の先輩達が、建築学科に進むのをみて
なんとなく興味を持って入った建築の世界ですが、

気づけば早○○年!しっかりハマってしまい、、、
ずっと設計のお仕事させていただいています。

今回の初めての書き込み、何を書いたらいいのかと悩みましたが
自己紹介も兼ねて、私がこの仕事は面白いなぁ、
こういうのが好きなんだなぁと思ったきっかけの建物をいくつかご紹介させていただきたいと思います。

まず1邸目は、オランダのユトレヒトにたつ、シュレーダー邸です。

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ユトレヒトはミッフィーの作者のディックブルーナの生誕地で有名です。

街中のあちこちでミッフィー関連のものが見られ、ふと通りがかった小さな広場にミッフィーの像があったりして、それだけでも訪れて楽しい街でした。

こちら、インテリアに少し興味を持っている方なら、一度は見たことがある『赤と青の椅子』という椅子を作った、リートフェルトという建築家の作った住宅です。

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この椅子、斬新なデザインと色使いなので、もしかしたら特にインテリアに興味ない方でもご覧になったことがあるかもしれません。
そんな、家具のデザイナーとして有名だった彼に、当時3人の子供のいるシュレーダー婦人が初建築作品として依頼されたものがこのシュレーダー邸です。

この建物、ちょっとした思い入れ(因縁?)もありまして、

そもそもは、大学時代の授業の課題でこの住宅の模型を作ることがあり、一度は行って見たいと思っていた建築でした。

そこで、学生時代にオランダへ旅行に行った際に、勇んで訪問したのですが、内部を見るには予約が必要だとのことで、泣く泣く外観だけ見て帰ってきたという失敗談付きです。

それなので、再度、ヨーロッパに旅行に行った時に
今度こそは!という思いで、つたない英語でなんとか予約の電話を入れて、やっと見に行ったという経緯もあり、余計に印象深いのかもしれません。

まずは外観を。
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この、グレーと白の面と、黒・赤・黄・青の線で構成されている圧倒的にシンプルなデザインが特徴的ですよね。

しかも、実際に行くまでよくわかってなかったのですが、
これ、煉瓦造りなんです。その上に白の塗装がしてあるのですが、近くで見るとレンガの積んである様子がわかります。

私は、外観写真から勝手にRC造とかなんだと思っていたので
実際にみてみて、正直びっくりしました。

レンガ造りって、窓も小さくてもっとクラシカルなデザインイメージじゃないですか?

外観の色の配置や線の入れ方でこんなにカッコよく出来るんだな?と感動したのを覚えています。

こんな印象的な外観ですが、
私がご紹介したいのは、内部!なんです!

間取りは基本的にオープンな空間に
動く間仕切り壁などで仕切って使うかたちです。

ただ、その動く壁が、すごい工夫されていて、
まるで忍者屋敷のように、いろんな部分が動くんです!

部屋として区切る壁は、真っ直ぐな板状のものをパタパタするだけではなくL型の形のままで動きます!
しかもドアも付いた状態で!!

また、階段周り吹き抜けている部分は、腰までとその上の部分が
別れて動くようになっていて、寒い時は塞いだり季節によって使い分けたり。

トップライトも付いているんですが、そこも動く板で目隠し出来るようになっていたり。

いまでは、ロールスクリーンやパーテーションなど様々な機能を持つシステム部材やインテリアの装飾品がありますが、この時代にそれをフルオーダー状態で作ってしまったということにすごさがあると思うんです。

これらの壁は、実際に見学案内の最中に、案内人が動かしてくれるのですが、同じ回に案内されていた全員が、
おお?!!っと叫んでおりました^_^。

内部は撮影不可なので、その時の感動を一生懸命スケッチしてきたのがこちら。

なんとなく伝わりますでしょうか??

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動く壁以外にも、個人別色分けされた文書入れ(郵便仕分け箱)や
子供に危険な箇所を知らせるために壁色をそこだけ変えたり、、、
他にも工夫されている箇所を挙げたらきりがないくらいです。

建築物としては小さい部類の『住宅』というものの中に
こんなにいろんな要素詰め込めるんだな~!
やっぱり建築面白いな!!
と再認識させてもらえた建物でした。

皆さんもぜひ、オランダに旅行される機会があったら
首都アムステルダムからもそんなに遠くないので見に行ってみてください。

そして、帰り道にオランダに数多くあるインドネシア料理のレストランで、ナシゴレン&チキンサティを食べてみてください。
かなり美味しかったです。

このボリューム、ペロリでしたww

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では、また次の機会にお会いしましょう!





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