こんにちは
ポラスの注文住宅HaScasa
設計の浅井です。
今回で5回目となるバルセロナ建築紀行も、ついにフィナーレです。
長くなりそうなので、パート1とパート2に分けてご紹介いたします!
最後はもちろん建築家アントニ・ガウディによる
「サグラダ・ファミリア教会」です。
バルセロナをスペイン一番の観光地に仕上げるどころか、スペイン自体をヨーロッパ第2の観光国に押し上げた「立役者」です。
1882年の着工以来130年以上作り続けているわけですが、最近、ガウディ没後100年にあたる2026年が完成予定となりました。
それでも、工事期間は144年となり一般的には「未完の建築の代表格」的な言われ方をされますが、実は欧州の「大聖堂」クラスの建築物の工事期間と比べてそれほど長いわけではありません。
たとえば、
パリのノートルダム大聖堂の工事期間は182年。(1163~1345年)
フィレンツェ大聖堂(ドゥオーモ)は140年。(1296年~1436年)
ミラノ大聖堂(ドゥオーモ)は427年。(1386年~1813年)
なので、サグラダ・ファミリアが取り立てて長いわけではなさそうです。
▲宿泊したホテル屋上から撮影した夜景。
写真下部の街区のスケール感と比べるとその威容が際立つ。
144年という時間が長いかどうか別として、実はサグラダ・ファミリアは1980年代ぐらいまでは「完成までに300年かかる」といわれていました。
それが、この30年の間に半分以下に短縮されたわけです。
その理由の一つが1992年のバルセロナオリンピックです。
オリンピックの開催によるバルセロナの知名度上昇にともないサグラダ・ファミリアも一躍人気の観光スポットになりました。
結果、資金が集まるようになり、最新の技術や人員が投入できるようになり工期が予定より早まりました。
最新技術の投入により一つの大きな決断もなされました。
構造・工法の変更です。
当初は伝統的な組積造で作られていたのですが、主要構造を鉄筋コンクリート造へ変更しました。
これには賛否両論ありました。
オリジナルの設計者の意思を尊重すべきであるとか、既存部との整合性はとれるのかとか、鉄筋コンクリートの寿命では「大聖堂」という用途に合わないのではないかとか。
ともあれ、協会の建築には鉄筋コンクリートが採用され未完の建築は急ピッチで完成に近づきました。
次回は内部の構造をご紹介いたします!
浅井と建築で語り合いながら、注文住宅の設計相談をしたい方!
私が設計を担当した新越谷展示場でお待ちしております。
是非是非、来場予約をして設計相談で私を呼んでいただけると嬉しい限りでございます。
それでは次回のpart2でお会いしましょう。
▲新越谷展示場の模型を持っているのがわたくしです。
出展
アントニオ・ガウディ (著:鳥居 徳敏 鹿島出版会)
ガウディの伝言 (著:外尾悦郎 光文社新書)
バルセロナのガウディ建築案内(著:丹下利明 平凡社)
▼浅井の「バルセロナ建築紀行」シリーズはこちらより▼