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美濃の国建築巡礼その②

美濃の国建築巡礼の旅、第2夜でございます。
 
2夜目にしてクライマックスです。
 
今回の旅の目的ともいえる場所のご紹介、
前々回の「三鷹天命反転住宅」でも予告いたしました、
荒川修作+マドリン・ギンズ両先生による
「養老天命反転地」
で、ございます!

「養老天命反転地」は岐阜県養老町にある岐阜県立養老公園にの一部を構成する「公園施設」です。
 
養老公園は滝の水がお酒に変わったという伝説「養老孝子物語」の「養老の滝」で有名な公園ですね。

その一角に1995年にオープンした「養老天命反転地」は荒川+ギンズ先生によるアート作品です。
 
開園時から大きな話題となっており、ずーっと見たいなぁ、と憧れておりましたがなかなか縁がなく開園から四半世紀が過ぎやっと見学することができました!

長年にわたる憧れから各種文献・メディアによる事前情報収集にてある程度の予想(=覚悟)はしていたのですが、
その予想大きく超える「凶暴な公園」でございました・・・!
 
「養老天命反転地」はすり鉢状の人工地形の中に庭園風の設えがなされ、オブジェが点在する作品です・・・
 
と、こう文字で表現すると彫刻庭園美術館的な雰囲気を創造するかもしれません。

以下まずは画像を見てみましょう。
 
200720-1.jpg
 
すり鉢の上から見下ろしてみました。人工地形ではありますが、かなり大きな施設なので、広角レンズでも全景をとらえるのが難しいです。
 
植えてある樹木は生きており、開設より四半世紀を過ぎ一部が林のように育っています。
 
200720-2.jpg
 
近い視点でクローズアップしてみました。

画面右端の斜面に訪問者が映り込んでいます。
人間の大きさと比較していただくと施設の大きさがわかるとの同時に、この「すり鉢」の「急斜面っぷり」がわかると思います。

この「急斜面」がこの芸術作品を理解する1つの取っ掛かりになります。

この作品は急で歩きにくい斜面を登ったりすることによって、人間の身体感覚に訴えかける作品なのです。

現代社会において、特に都市生活者にとっては、日常生活で危険な体験や歩行が困難なほどの空間体験をする機会が減りました。

むしろ危険なもの、歩きにくい空間からは遠ざけられた生活こそが快適とされることが多くなったのですが、
これにより現代人の身体感覚は鈍り、不健康な生活をしているのではないか?

であれば、少し危険で不安定な身体体験をすることによって、現代人の眠っている身体感覚を取り戻し、心身ともに健康になれるのではないか?

というのがこの芸術作品のコンセプトなのだと思います。
 
200720-3.jpg
 
「すり鉢」の淵まで迫ってみました。

左を見下ろすとなかなかの斜面です。
気を付けて歩いてもすべり落ちそうです。
実際、折からの雨で私は2回ほど尻もちをつきました](^^;)

作品内を散策していると、そこここから「ギャー!」という断末魔の叫び声みたいなものが聞こえてきます。

もちろん、仕込みではなく見学者の「生の声」です(笑)
 
200720-4.jpg
 
「すり鉢」の底から見上げてみました。
斜面がかなり切り立っているのがわかるかと思います。
 
200720-5.jpg
 
別視点から見てみました。

写真右奥のシルバーの「模様」は反転した日本列島です。

この作品は「普段見慣れたものを違った視点で観察してみる」
というテーマも盛り込まれており、施設内の複数個の「日本列島」のレリーフがちりばめており、写真のシルバーの「日本列島」2番目に大きいものになります。
 
200720-6.jpg
 
近づいてみると手前が北海道であることがわかるかと思います。
 
200720-7.jpg
 
斜面にぽっかり口を開けた入るのに非常に勇気のいる謎の祠のような黄色いスリットの中は、
一切照明の無い闇の世界ですが、頑張って奥まで進むと・・・、
 
200720-8.jpg
 
小さい日本列島が埋め込まれた天窓が有ったりします。
 
200720-9.jpg
 
敷地内に点在する謎の構造物は・・・、
 
200720-10.jpg
 
近づいてみても、やはり謎です(笑)

トイレやベッドが壁に突き刺さっています。

これも「普段見慣れたもので構成された非日常」を意識させる仕掛けなのだと思われます。
 
200720-11.jpg
 
作品内にはすり鉢状のゾーンの他にいろんな施設があります。

上の写真の施設には「岐阜県の地図」が載っています。
 
200720-12.jpg
 
施設内のトイレ棟もこんな感じです。天地もあやふやになってまいります。
 
200720-13.jpg
 
背景の養老渓谷の山々も幽玄な雰囲気を演出してくれています。

と、このように世界的にも類を見ない巨大さであるのと同時に、非常に野心的な芸術作品です。

前述のように危うさや不安定さを身体に訴えかける作品の性質上、鑑賞・体験するにはある程度の危険が伴うのですが、
このような、野心的な作品が実現し、四半世紀にわたり公開されていることに、岐阜県をはじめと関係者の皆さんの理解と努力に敬服します。

今年(2020年)も大規模修繕が行われ、先日再公開が果たされました。
(昨今のコロナ禍の影響で利用制限などもかかっているようですが・・・。)

施設エントランスでは、運動靴・ヘルメットなども貸し出されております。
が、さすがに小さなお子さんや年配の方の利用は難しいかと思います。

ご興味のある方はあくまで「自己責任で」訪れてみてはいかがでしょうか?
 
 
最後にBlog掲載を快諾してくださった荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所のご担当者様ありがとうございました! 
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