【設計士の日常】バイオビオトープ那須・「水庭」
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「アートビオトープ那須」さんは2017年に惜しまれつつも営業が終了した那須の名ホテル、「二木倶楽部」の経営者の方が立ち上げられた施設で、ガラス工房・陶芸工房が併設された宿泊施設です。
その敷地の一角にあるのが、建築家、石上純也さんの手がけられたランドスケープ作品です。
最近、デンマークで新設された第一回「オベルアワード」にて建築賞を受賞された他様々な賞を受け、内外より注目されている作品です。
作品としては、ランドスケープ作品ですので文字通り「お庭」です。
敷地内にランダムに広がる池と、林立する木々からなる庭ですが、そもそもこの敷地は、かつて農家さんが山間部の川沿いの敷地に切り開いた「田んぼ」であり、その後、家畜用の「牧草地」として使われていたそうです。
現在の宿泊施設の土地となっていからは、しばらくは未使用だったようですが、隣接する敷地に新規に宿泊飲食施設を建設するに際し切り開かれる原生林の樹木たちの移植・保存をするために立ち上げられた計画だとのことです。
建築家石上氏は、移植予定の樹木を1本1本調べ上げスケッチを起こし、どのように配置し新しい庭園を構成するかを綿密に計画したそうです。
移植された木々の足元にはビオトープ(生態系を疑似的に再現した池)の水盤を配し、なんとも「幻想的」な景色が実現しました。
また、石上氏は庭を構成する際、「建築的思考」で設計されたそうで、木々が林立し入り口として狭められた「玄関」的空間や木々の間にぽっかりと空間を作り「居間」的な空間を作ったりされたそうです。
私がお邪魔したのは紅葉し始めの季節ですが、新緑の季節や真冬なども違った景色が楽しめそうです。
那須方面にお越しの方は訪ねてみてはいかがでしょうか?
文末になりましたが、Blog掲載につきまして快諾してくださったアートビオトープ那須さん及び関係者の皆さんありがとうございました。
アートビオトープ那須
https://www.artbiotop.jp/
東京都・埼玉県・千葉県に複数のモデルハウスがございます。
お近くのモデルハウスへぜひ一度お越しください!皆様のご来場心よりお待ちしております。
この記事を書いた建築家
浅井 直林
アーキテクト / 1級建築士
松美古流いけばな家元
草加市景観賞(2013)受賞
建築設計における座右の銘
「住宅とは身体の拡張である」
ル・コルビュジェとマーシャル・マクルーハンの言葉より。